女の子として見てください!
え……っ。

ウソ。かわいいって、言ってくれた?あの翔さんが?私のことを?



「……ホラ、行くぞ」

翔さんはくるっと私に背中を向けて、歩きだす。

……背中向けたって、耳が赤いの見えてる。


私は翔さんの隣に駆け寄って。

「翔さん! 手繋いでもいいですか!」

「それは嫌だ」

「なんでですか! 今私のことかわいいって言ってくれたじゃないですか! かわいい子と手をつなぎたいと思わないんですか!」

「自分で自分のことかわいいとか言うな!」

そんな言い合いをしながら(結局手はつながせてもらえなかったけど)、私と翔さんは並んで歩きながら、駅から近くの水族館へと向かった。
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