女の子として見てください!
ん?ん?誰だっけ?
私より少し年上くらいの、背の高いキレイな女性だ。
私はこのケーキ屋さんで買い物したことはないし、同級生でもないし。
あれ、でも確かにどこかで会ったような気がする。
それに、誰かに似ている。
そしてその誰かとは、毎日のように顔を合わせている気がする。
……そこでようやく思い出した。
「飯尾君のお姉さん!」
私がそう言うと、飯尾君のお姉さんーー確かユキさんは、もう一度「お久しぶりです」と答えてくれた。
ユキさんは、今はもう退職されているけど、実は元同職、つまり元警察官だ。五年前に辞められていて、一緒に働いたことはないから、それを知ったのは去年、飯尾君がうちの課に異動してきて仲良くなって、彼から話を聞いた時だったけど。
「すみません、すぐに思い出せなくて……」
「ふふ。仕方ないわ。私、髪の色も髪型もあの時から結構変わってるし。
一年ぶりくらいかしら? うちの実家の土蔵に強盗犯が入ったのを、たまたまその場に居合わせた美桜ちゃんが現行犯逮捕してくれたのよね」
「はい。確かあの日は、飯尾君が実家にあって読まなくなったマンガをくれるって言うからおじゃましたんです。そしたら、そこに強盗が来て」
「今思い出してもすごい偶然だし、強盗犯も不運だったけど、松城さんも不運だったわよね。そんな理由でたまたまうちに来た日に強盗と出くわすなんて。まるで松城さんが強盗を引き寄せたみたい!」
「……」
「あ、ごめん。冗談よ? 嫌な気持ちにさせちゃった?」
「い、いえ……」
嫌な気持ちどころか、申しわけなさしかない。
だってきっと本当に、私が強盗を引き寄せたのだろうから。だって私は、”犯罪を呼ぶ女”だから。
と、そんな会話をしていると、ユキさんが私の後ろにいた翔さんに目を向けた。
あ、こちらは私の上司の伊浅さんです、とユキさんに紹介しようとしたその時。
「翔……?」
「……久しぶり」
ユキさんと翔さんは、そんな会話を交わしたのだった。
私より少し年上くらいの、背の高いキレイな女性だ。
私はこのケーキ屋さんで買い物したことはないし、同級生でもないし。
あれ、でも確かにどこかで会ったような気がする。
それに、誰かに似ている。
そしてその誰かとは、毎日のように顔を合わせている気がする。
……そこでようやく思い出した。
「飯尾君のお姉さん!」
私がそう言うと、飯尾君のお姉さんーー確かユキさんは、もう一度「お久しぶりです」と答えてくれた。
ユキさんは、今はもう退職されているけど、実は元同職、つまり元警察官だ。五年前に辞められていて、一緒に働いたことはないから、それを知ったのは去年、飯尾君がうちの課に異動してきて仲良くなって、彼から話を聞いた時だったけど。
「すみません、すぐに思い出せなくて……」
「ふふ。仕方ないわ。私、髪の色も髪型もあの時から結構変わってるし。
一年ぶりくらいかしら? うちの実家の土蔵に強盗犯が入ったのを、たまたまその場に居合わせた美桜ちゃんが現行犯逮捕してくれたのよね」
「はい。確かあの日は、飯尾君が実家にあって読まなくなったマンガをくれるって言うからおじゃましたんです。そしたら、そこに強盗が来て」
「今思い出してもすごい偶然だし、強盗犯も不運だったけど、松城さんも不運だったわよね。そんな理由でたまたまうちに来た日に強盗と出くわすなんて。まるで松城さんが強盗を引き寄せたみたい!」
「……」
「あ、ごめん。冗談よ? 嫌な気持ちにさせちゃった?」
「い、いえ……」
嫌な気持ちどころか、申しわけなさしかない。
だってきっと本当に、私が強盗を引き寄せたのだろうから。だって私は、”犯罪を呼ぶ女”だから。
と、そんな会話をしていると、ユキさんが私の後ろにいた翔さんに目を向けた。
あ、こちらは私の上司の伊浅さんです、とユキさんに紹介しようとしたその時。
「翔……?」
「……久しぶり」
ユキさんと翔さんは、そんな会話を交わしたのだった。