独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「本当はこんな気持ち、今のタイミングで伝えるべきじゃないんですけどね。

仕事やめるんでしょ?翔子ちゃん」


つまり、下風代理が言いたいことはこうだった。


もし私と下風代理が付き合うことになり、それが人事部にバレてしまうと、今年度末は、私の転勤も確実になってしまうだろう。

なぜなら、下風代理はまだ春日支店に赴任して一年目だからだ。


仮に翔子さん、目黒次長、さらに私が抜けてしまう預金課は、代わりの者が入ったとしても、間違いなくてんやわんやだ。


私がもし下風代理を好きになったとしても、仕事のことを考えると付き合うことはないだろうと、彼は考えていたそうだ。


「さ、そろそろ戻りましょうか。
すいません、時間とらせて」

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