独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「…よし、そろそろ花火が始まるな!

支店長、俺ら春日町の花火初めてなんで、ちょっと抜けて見に行ってもいいっすか?」


「えぇっ!下風代理、サボりなんてずるいんですけど」

「ミューなんて毎年見てるでしょ?
ちょっと香坂ちゃんと行ってくるから、あとよろしく!」


慌てて涙は拭いたけど、あたしが泣いてしまったところを見られたのかも。

「ほら、近くまで行こうぜ」っていいながら、どんどん人混みに紛れていく。


あたしもその勢いに流されて、彼の後を必死で追いかける。


追いかけていくうちにアナウンスが流れ出して、一発目の花火がどかんと打ち上がる。


二人で立ち止まって空を見上げた。

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