独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「あたしが悪いんです。

彼のことを好きでもないのに、あたしの都合のいいようにずっとキープしていたんです。

軽い気持ちでそれを伝えたんですが、彼の傷つくところを見たら急に罪悪感を感じてしまって…」


本当にあたしはずるくできている。


祐介に別れを告げるきっかけは、下風代理を好きになったこと。

一番大事なそのことは下風代理に隠したまま、こうして話をしているのだ。


沈黙の中、花火の音が遠くで響く。


あたしの話を聞いているんだかそうでないのか、下風代理はぬるくなったビールをぐびっと飲み干した。


話したことを少しだけ後悔する。

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