独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「ありさ、窓口は慣れた?」

「全然!
毎日お客さんの苦情に怯えながらやってるよ」

「そんなに苦情くるの?」

「ごめん、ちょっとだけ話盛った」


農協の金融課窓口で働いている絵梨花とは同業者ということもあって、ちょくちょくこういった話をしている。


あたし達二人の会話なんてほぼ悪口の世界だから、たまにお店で飲むこともあるけどほとんどが宅飲みだ。


「仕事の愚痴を言える友達ってホント貴重。
頼むから絵梨花、来年転勤とかやめてね。

…さて、眠くなってきたからそろそろ帰るかな」


絵梨花のアパートはあたしの社宅からは少し遠くて、近くの道の駅に車を停めている。

春日町も田舎だから、道の駅に車を停めようが、路上駐車しようが、怒られないっていうのが楽。


歩いてでも帰れるが、今日は寒いからタクシーで帰ることにした。

明日の朝にでも車を取りにいかなきゃ。

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