独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
春に下風代理から住所変更の依頼を受けたときだ。

その住所変更届に記入されていた生年月日をあたしは覚えていた。

…それが今日なのだ。


今日のあたしの予定では、誕生日を知らないふりして『おすそ分け大作戦』を決行しようとしていた。


それでまた一緒にご飯を食べて、下風代理が「実は今日誕生日なんだ」と言う。


あたしは「えっ、そうなんですか!?偶然!」って言って「たまたまでも誕生日に一緒にいられて嬉しいです」なんて、少しだけ勇気を出していうつもりだった。


頭の中のシナリオは完璧だったのに…!


もうこの時間じゃ晩ごはんも終わっているんだろうな。

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