独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
Tシャツにジャージ姿の下風代理は、髪までボサボサだった。

「お、うまそうじゃん。ありがとね」


キッチンの換気扇が回っている音がする。


「何か作っていたんですか?」

「作っていたというよりは…

鶏肉を茹でていたんだけど、こっからどう料理にしていけばいいかわからなくてさ。

あっそうだ、料理女子の香坂ちゃんに試練を与えよう!
ちょっと汚いけど、上がってこれる?」


うそ、家に上がれるなんてラッキー。

…と思ったのも束の間。
言った通りで彼の部屋は、ちょっと散らかっていたのだ。


でもとりあえずはそれを無視してキッチンに向かう。

確かに鍋の中で、パックから出されたままの鶏もも肉が茹だっていた。

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