独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「下風代理、あたしそろそろ…」

「うん、そうだね」

下風代理は立ち上がり、玄関まで送ってくれた。

「なんだか色々すみません」

「角煮うまかった。またおいでよ」


あたしの頭を一度だけ軽くぽんと叩き、笑顔を見せてくれた。

恥ずかしさと、なぜかちょっとだけ切なくなって、涙が出そうになった。


「俺なら、香坂ちゃんの気持ちわかってやれるから。
家も近いんだし、いつでも話しにおいで」

「わかりました、ありがとうございます」


最後は恥ずかしいことも言ってしまったけど、下風代理が勘違いしているおかげで、それも引きずらないで済みそうだった。


結局、家に行けて楽しかったんだ。


またおいでって言ってくれた。

気持ちわかってやれるって言ってくれた。


どうしよう、嬉しすぎる。

ほんとに好きになりそうだ…

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