独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「で、住所変更ね。
まずは記入事項を確認して。

あ、ほら。
生年月日、昭和じゃなくて明治に丸をつけてる。

こういうのも細かいけど、訂正印いるからね。

ほんとこの人危ないから気をつけて」


『危ないから気をつけて』に意味もなく、ドキッとしてしまう。

むしろあの日、危なかったのはあたしの方なのに。


そこで知った衝撃の事実。


下風代理は、昭和58年生まれらしい(明治に丸がついているが)。


うそっ、これって何歳なの?
せいぜい昭和60年代だと思ったのに…

デスクマットに挟めてある、年齢早見表を見た。


今年で33歳…
あたしが今年で21だから、一回りも違うなんて。

12歳離れてるってことは、干支はあたしと一緒でいのししだよね…


年上すぎることにショックを受けてしまったが、それもほんの一瞬だった。

年齢なんて関係ないんだと思ったのと同時に、あたしは改めて下風代理への想いに気がついてしまった。

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