独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
そしてパソコンのキーボードをゆっくりと叩き出した。

「ストップストップ!
香坂さん、印鑑照合はしたの?」

「印鑑?
職員のだから、印鑑は合ってると思いました」


その勝手な判断がコワイのよ。


「職員の書類だろうが、基本は守って。

さっきだって、下風代理の生年月日が間違っていたでしょ?」

「はい、すいません」


まだまだ彼女からは目を離すことができない。
取り返しのつかないことになってしまったら大変だ。


つい先日も、通帳に入金をするところで、出金の処理をしようとしていたために、処理が完了する前に寸前で止めたのだった。


新人にはよくあるミスだが、通帳に記帳になってからでは遅いのだ。

< 80 / 250 >

この作品をシェア

pagetop