【番外編】元ヤン少女が進学校へ。


……その言葉の直後に、あたしたちの身体は
ほんの少しだけ離れた。


そしてあたしは、柊季を見上げる。


「…でもさ、誰かを泣かせる彼氏なんて
おまえも嫌だろ?……茉実にとっても
自慢の彼氏でいてぇーから。」


そう言って、少し顔を赤らめながら
柊季はふいっと視線をそらした。


「……っ…」


……そっか。


柊季が無言返しをしなくなったのって…
……あたしのため、だったんだ……__


……そんな柊季の言葉が嬉しすぎて…


あたしは、ニヤついてしまう顔を
必死で抑える。


あぁ、好きだなって…
あたしにとっては、あたりまえのことだけど
改めて、そう思ったんだ……__

< 28 / 52 >

この作品をシェア

pagetop