再会


グリューワインで温まった体に、緊張が高まっていくのがわかった。

少し上を見上げると、そこには、新市庁舎の建物が聳え立っている。

その下が、約束の場所……





もう一度、通りに視線を戻すと、一組の家族連れが目に入った。

お父さんとお母さん、それに小学生くらいの女の子。

女の子を真ん中に、三人手を繋いで、仲睦まじく歩いている。

少女は、ショーウィンドウの前で立ち止まると、食い入るように、中のオルゴールを見つめていた。

サンタクロースやトナカイが、ノスタルジックな音色に合わせて滑稽に踊るたび、両側の両親を見上げて、嬉しそうに何か話しかけている。

そんな娘の姿を見つめる両親の目は、愛情に溢れていて、彼女がとても愛しみ育てられているのだろうと、一目で分るほどだった。



オルゴール……か







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