再会


私は、そっとアキの額に、自分の右手を添えた。

アキの温かな体温が、伝わってくる。


「あぁ、俺は大丈夫」


そう言って、アキは微笑んだけど、手を振り払うことはしなかった。


「レイの手、冷たくて気持ちいいな」


そう言われて、暫く私は、手を額から離せずにいた。



すると、前を歩いて大騒ぎしていた二人が振り返り、なにやらニヤニヤとこちらを伺っている。


「ちょっとあんたたち、何イチャついてんのよ」

「そうやで、レイ。アキだけにボディタッチはズルイやんか。俺にもしてーな!」


リリィとジュンに、そんなことを言われ、私は、慌ててアキから手を離した。


「ち、違うわよ。別にイチャついてなんて……」


自分でも、しどろもどろしているのが分るけど、それとは反対に、顔が真っ赤になって思わず俯いてしまった。





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