再会
それから、ハイデルベルク城や学生牢、薬事博物館なんかを見学していたら、あっと言う間に夜になっていた。
みんなで一緒に、夕食をとる。
一人だと、スーパーでパンやサラダを買ったり、ユースで食べたりでちょっと味気なかったりするけど、四人だとやっぱり楽しいものだ。
みんな、それぞれ貧乏旅行だし、そんなに贅沢できるわけではない。
だけど、地元の人たちで賑わう安い屋台や食堂での晩餐は、私たちにとっては最高の贅沢だった。
ここはやっぱり、ビールで乾杯だ。
「乾杯~!」
今日の夕飯はドネル・ケバブだ。
ドイツには多くのガストアルバイター(外国人労働者)がいて、特にトルコ人は多い。
ドネル・ケバブというのは彼らの国民食で、肉の塊を炙って薄く削いだものを、トマトやオニオンと一緒にフランスパンでサンドしたもの。
私は、一つ食べるのが精一杯の大きさだ。