再会


「アホか!お前みたいに可愛くない女に、言われたないわ。って、これを俺に飲め言うんか?ええ度胸やなー!おう、勝負や!!」

「あたしのことを、可愛くないだなんて、あんたこそ、馬鹿じゃないの。あたしに勝とうなんて、百万年早いわよ!」


あぁ~あ……

ジュンってば、リリィに勝負を挑もうだなんて、自殺行為だ。

リリィのお酒の強さを、知らないもんね。

彼女の飲みっぷりと言えば、そりゃ、頼もしいんだから。

二人は、競い合うように、ワインを飲み始めてしまったんだ。



でも、口ではなんだかんだ言ってるけど、あの二人、実はお互いかなり意識してるんじゃないかって思うんだ。

ジュンはと言えば、私には抱きついて困らせたりするくせに、リリィには一つも触れられないでいる。

本人は気付いてないかもしれないけど、リリィのことを、かなり意識してるはずだ。

それに、リリィも。

口は相変わらずだけど、ああやってポンポン物を言うのは、かなりジュンが気に入ってる証拠だ。

私も最初は戸惑ったけど、それはリリィが心を開いてくれてる証拠だって、今は分るもの。




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