再会
隣のジュンが急にあたふたしだしたので、何事かと思えば、私はいつのまにか溢れた涙が頬を伝うのを、そのままにしていたようだ。
「ちょ、ちょ、ちょちょっと~レイ~、泣かんといて~な。俺、アキに殺されるわ。頼むから泣き止んで~な」
そんなジュンの姿が可笑しくて、私は、流れる涙もそのままに笑ってたんだ。
「なんだ、ジュンには、ちゃんと夢があるんだね」
「いや、その……。なんや、たかだか町工場の跡取り息子なんてカッコ悪いやろ?」
「ううん。ジュンもジュンのお父さんも、すっごくカッコいいと思うよ。アムスの時は、なんだか迷ってるように見えたんだ。でも、今のジュンは違うね」
「そうか?」
「うん、迷いなんか全然ない。ちゃんと、自分の進むべき道が見えてるんだもん」
「褒め過ぎやわ。こんなん、リリィの前で言うてみ。きっと『小さい男や』って馬鹿にされるわ」