再会
以前なら、きっと不安の方が大きかった気がする。
でも、今は、そんな十年後の未来が、少し楽しみに思えるんだ。
ベルリンで見た街並みが未完成だったように、まだ夢の途中の私たち。
十年経ったら、ベルリンは摩天楼と化しているかもしれない。
私たちはどうだろう?
想像しただけでワクワクする。
「ジュン、リリィ、アキ、私も賛成。私ね、その約束があれば、きっと頑張れそうな気がするんだ。ちゃんと夢を見つけて、前に進めそうな気がする。だってね、十年後ここで再会した時に、ちゃんとみんなに胸を張って、頑張ったよ、っていいたいもん!」
自分でも信じられないほど、言葉に力がこもっていた。
心が高揚するのがわかって、勝手に笑みがこぼれる。
そんな私の頭を、アキが大きな掌でクシャっと撫でた。