再会



「ねぇ。レイっていくつ?」

「ハタチ」

「えぇ~、見えないっ!」


リリィは目を見開いて驚いた。

食べかけのチーズを、落としそうになっている。

そんなに驚かなくてもいいのに、と思ったけど……


「だって、さっきもスーパーでさ、あんた隣のおじいちゃんに言われたでしょ?」

「私、何か言われたの?」


今は、ユースホステルのテラスで、夕食を取ってるところ。

今晩の宿に到着した私たちは、チェックインをするとスグに、近くのスーパーへ、晩ごはんの買出しに出たんだ。

ユースとスーパーの間に、美味しそうなパンやさんがあったので、そこで帰りにパンを買うことにして、スーパーではワインやらチーズやらを買おうと思ったのだ。

ここは、下手するとワインと水が同じくらいの値段だ。

そのスーパーで、私がワインを手に取っていると、お爺さんが近づいてきて話しかけられたんだ。

フランス語だったからサッパリ分からなかったけど、なにやらリリィと二人で会話をし、笑顔で去って行ったのだ。






< 18 / 319 >

この作品をシェア

pagetop