再会
確かに、ここの暑さといったら……
湿気が多い上に、気温も高くて、蒸し暑いことこの上ない。
私とアキは、スイスから持っているペットボトルにまだいくらか残っていたけど、あの二人は列車の中で全部飲み干していた。
「レイは大丈夫?」
「うん、平気。アキ、詳しいね、ここにも来たことがあるの?」
「いいや、仕事仲間でイタリア人がいるんだ。そいつが、ここの事を延々喋ってるのを聞かされてたからな。でも、あながちオーバーでも無かったみたいだな」
「すごく素敵な所だね」
「あぁ」
照り付ける太陽に、眩しそうにアキは目を細めた。
「あっ、来た!」
私はその声を受けて、通りでミネラルを飲んでいる二人に声を掛けた。
「ちょっとー、リリィもジュンも、船が出ちゃうよー!」
すると通りの向こうで、二人の慌てる姿が見えた。
急いでキャップを締め、こちらに走り寄ろうとしている。
相変わらず、この二人はいつも慌しいんだから。