再会
「それどころか、この島の土台は12世紀には出来てる。だから、800年も前の建物を残してるんだ。」
「800年……よっぽど頑丈な土台なんだね」
私がそう言うと、アキはクスっと笑った。
「だと思うだろ?でも、ここの土台は、木材と石材なんだって」
「えぇー?木なの?」
「あぁ、そうなんだ。ほとんど杭の上に立ってる街なんだよ」
そんな土台の上に、800年もの間、こんな華麗な都市が変わらずにあるなんて……
「レイ……この世に変わらないものって、あるのかな?」
「え…?」
私には、アキの言いたいことが、わからなかったんだ。
この世に変わらないもの?
そんなもの……あるのかな?
でも、この美しい街は、800年もの間ここにこうしてあるのだ。
そう思うと、変わらないものはあるのではないか、と思えてくるから不思議だ。
奇跡のようなこの街の美しさは、そう思わせるだけの何かを持っていたんだ。