再会


きっと優しいお母さんなんだろう。

アキの表情を見ていればわかる。


「……ゴメンな」

「え?」


アキの突然の言葉に、振り返った。


「母親の話なんかして」


アキの少しバツが悪そうな顔があり、私は慌てて手を横に振った。


「ううん。大丈夫だよ。なんでかわからないけど、最近はお母さんのこと思い出しても、結構平気なんだ」


まだ心配そうに見つめるアキに、私は笑顔を向けた。


「強がってるわけじゃないよ。いつまでもあの時の子供のままじゃいけないなぁって、最近思えるようになったんだ。もうあれから十年だもの。いい加減、私も大人にならなくっちゃね」



そう言うとアキは「レイは強いな」って頭をクシャッと撫でたんだ。



「はい、そこ~、何イチャついてんねん!」

「そうよ、アキはレイに甘いんだから!」



後ろからジュンとリリィのひやかしが聞こえて、思わず固まった私だけど、アキはもう一度私の目を見て、「レイはもう大丈夫だよ」って、そう言たんだ。




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