再会


まるで絵葉書の構図にでもなりそうな風景が、この町には至る所に溢れていた。

そんな風に街を彷徨っていると、決してガイドブックには載ってないけど、まるで宮殿のような豪邸や、古く朽ち果ててもなお風格のある建物、なんとも不思議な彫刻と、次々と興味深いものが目の前に現れた。

私たちは、飽きることなく、前へ前へと目の前の道を進んだんだ。


「それにしても、車が走ってないと、こんなに静かなのね?」


どんどん先を歩くリリィは、少し振り返って言った。

確かにそうだ。

とにかく橋だらけで、道幅の極めて狭いここでは、車はおろか自転車も走ることはできない。

今どき車の走ってない街なんて、ここくらいだろう。


「本当に静かね。信号もないし、渋滞もない。まるで中世にでもタイムスリップしたみたい」

「レイはやっぱええこと言うなぁ。リリィと大違いやわ」

「ジュン~?!」


そんなリリィとジュンのやり取りが、静かな建物の間に響き渡った。

すると少し後ろを歩いていたアキが、私の隣に並んだ。


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