再会
「本当だ。車のない生活なんて、想像したことなかったな。でも、住むには不便そう」
そう言って、珍しくアキが肩を竦めたりするから、二人でクスっと笑い合ったんだ。
「ここを歩いてると思うんだ」
「ん?」
アキは私と歩幅を合わせて歩いてくれる。
「俺が彷徨ってる迷宮も、きっと出口はあるんだってさ」
「迷宮?」
「あぁ。悩んでる時って、出口のない迷宮を彷徨ってるみたいだろ?」
「うん」
「でもさ、出口は必ずあるんだって、そう思えるんだ。あぁやって、リリィみたいに諦めず前に進んでたらさ」
そう言うアキの目線の先には、二人でああだこうだ言いながらも、次の道をどんどん進むリリィとジュンの姿があったんだ。
「迷宮の出口……か」
私も今まで、一人で迷宮を彷徨っていたのかもしれない。
出口のないと思っていた闇を―――