再会
「旅行に出る前に、髪切ったからかな」
私は、旅行の三日前にバッサリ切り落としたベリーショートの頭に手をやった。
でも、まさか、男の子に間違われるとは思ってもみなかった。
まあ確かに、旅を始めてから、確実に化粧は薄くなってるけど。
「レイって髪の毛長かったんだ?」
笑いのおさまったリリィは、四杯目のワインを飲みながら、私の頭に目をやった。
「うん。でも、今回こんな旅だし、要らないかなって」
「あんた案外潔いのね」
「え?」
「見ため的にもっと鈍臭い感じかと思ってた。まぁ、一人で旅するぐらいだし、そこそこ行動力はあるんだろうけどさ」
本当に、思ったことをズバッと口にする子だな、と思った。
リリィはと言えば、まるで悪気もない様子で、さっきからワインをぐいぐい飲んでいる。
その豪快な飲みっぷりも、体格同様日本人離れしてるな、と思わず感心してしまった。