再会
ブォーという暖房の音で目が覚めた。
ダウンジャケットは脱いでいるものの、毛布を掛けられていて温かい。
ここは……?
「やっと目が覚めたわね」
私の顔を覗きこんでるのは、リリィだった。
「ここ……どこ?」
「アキの親戚の家なんだって。今はチュニジアにバカンスに行ってて留守らしいの」
「そうなんだ。私……」
リリィは私が寝かされていたベッドの端に座って、私を見下ろしていた。
「泣き疲れて寝ちゃったのね。あんた子供じゃないんだから。小さい怜と一緒ね」
そう言って、リリィはクスッと笑った。
私の横で、怜はベビーベッドの中でスヤスヤと眠っていた。