再会
「ねぇ、レイってなんで一人旅してるの?」
リリィってば、もう酔っ払ってるのか、頬が少し赤くなってる。
私は少し考えてから答えた。
「なんでもよかったんだ。どこか遠くへ行きたかった。一人になりたかったの」
「一人に?」
リリィがワインを飲む手を止め、私の顔を覗き込んでいる。
「そう。なんかね、わからなくなってさ。いろいろ先のこととか、自分のこととか」
「ふーん。それってなにげにあたしのこと邪魔って言ってる?」
「へ?」
リリィに、冗談とも本気ともつかない表情で聞かれ、思わず静止してしまった。
「まぁ、今日は野宿免れたんだし、許してよね。明日には解散だから安心して」
「ち、違うの」
「んー?」
リリィが不機嫌そうにワインをあおり始めたので、私は必死になってその目をとらえた。
「さっきは……実は、嬉しかったんだ。リリィに話しかけられて、正直ホッとした」
これは本心。
今まで、日本にいる時なんて、親に話しかけられるのも、友達ですらウザイと思うことがあった。
それが、さっきリリィに声を掛けた時の感覚に、自分自身戸惑った。
一人になりたくて飛び出してきたはずが、こんなに誰かを求めてるってことに……