再会
それからも、アン王女の足跡をたどるように、ローマの街を歩いて回った。
市内にはバスも頻繁に走ってて、どこに行くにも便利だけど、あってないような時刻表のおかげで、待てど暮らせど来ないこともザラだった。
人で溢れかえったバス停に出くわすと、歩いた方が早かったりもする。
炎天下の中歩いて、結構辛かったはずなのに、それでも四人で歩くローマは全てが輝いて見えたんだ。
そして髪をバッサリ切ったアン王女は、あの有名なスペイン広場へ向かうんだ。
私たちも、たくさんの観光客でごった返すスペイン階段の下から、映画でも印象的なトリニタ・デイ・モンティ教会を見上げながら昇った。
二つの塔を見上げると、映画の場面が脳裏に鮮明に映し出された。
人々は階段に腰掛けたり、アン王女さながらにジェラートを頬張ったり、思い思いに過ごしていて賑やかだ。
二人が休憩をした“カフェ・グレコ”を通り、ヴェスパで通り過ぎた“コロッセオ”を横目にして、私たちはどうしても行きたかった、あの場所へとたどり着いたんだ。