再会
「アキ……?」
「俺も怖いよ。嘘つきは俺かもね」
そういって少し寂しそうに笑ったんだ。
それなら……
私は無意識にアキの手を掴んでたんだ。
「私も怖いよ。でもね、アキと一緒なら、大丈夫な気がするんだ」
少し驚いた表情をしたけど、アキはすぐに笑顔で頷いてくれた。
そして私に掴まれていた手を、しっかりと握ってくれたんだ。
二人で“真実の口”にゆっくりと手を差し込んだ。
「レイに出会って思ったんだ」
「ん?」
「自分自身に嘘をつくことなんてできないんだって」
アキは独り言でも言うかのように囁く。
「あの日、レイの瞳がそう教えてくれたから。だから、俺も自分に正直に生きるよ」
自分に正直に……?
そっと抜き取った手は自然と解けていた。
なんだかとても名残惜しかったけど、ふと我に返ると、少し離れた場所からリリィとジュンの視線を感じて、思わず俯いてしまった。
さっきまで繋いでいた手がジンジンと熱い。
外に比べて幾分ひんやりする祠の中で、私の顔だけがいつまでも火照っていた。