再会


「リリィのが切符なら、こっちは道標ってところかな」


そう言ってアキが紙袋から取り出したのはネックレスだったんだ。

しかも四つ

シルバーのチェーンと、シンプルなプレートの同じ形のネックレス

アキはそのネックレス一人ひとりに手渡した。

小指の第一関節分くらいのプレートを良く見ると、そこには文字が刻まれていたんだ。





“2008.12.24 München”





とてもシンプル

でも、そこがアキらしいなと思った。

ジュンもリリィもそのメッセージを見つめている。


「これって……」

「あぁ、十年後のクリスマス、ミュンヘンで俺たちは再会するんだろ。それを忘れないために」


素敵なネックレスだ。

リリィが一番に身につけた。

だいぶ小麦色に焼けた胸元に、キラリとシルバーが光った。

それに続いて、ジュンも私も身につけた。

最後にアキも……

四人の胸元に輝く、同じネックレス





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