再会
「もう、レイはすぐ泣くー!」
いつも通りリリィにすっぽり抱きしめられたけど、そう言うリリィも涙声だった。
人前で泣いたりするようになったのは、リリィと出会ってからだ。
こんなに自分が泣き虫だなんて知らなかった。
嬉しいや悲しいと感じる心を持ってることも、忘れていたから……
これまでの旅の記憶が走馬灯のように流れていって、私はもう声を上げて泣いてた。
でも、私はリリィに伝えなきゃいけないことがある。
「リリィ……ありがとう」
嗚咽混じりでちゃんと伝わったかはわからないけど、リリィの腕に更に力が篭ったような気がした。
「私ね、リリィに出会って、変われたよ。毎日が楽しくなった。旅が楽しくなった。夢を見つけようって思った」
「もう、レイはオーバーなのよ!」
「そんなこと言ったって……私にとって、リリィとの出会いは、人生を変えたんだもん。全然オーバーなんかじゃないよ!」
少し体を離したリリィは私の目を真っ直ぐに見つめていた。
「あたしもよ。こうして大親友に出会えた。それに、あんたのおかげで、ジュンやアキとも出会えたわ。最高に楽しい旅もできた。感謝してる。ありがとうね」