再会


「あんな風にって?」

「仕事一筋の人だから。きっと、今も夏休みもほとんど取らずに働いてる。土曜日だって本当は休みだけど、いつも家にいないし」

「きっと、レイとレイのおとんは似てるんやな」

「え?」


私は驚いてジュンを見た。

アキもなぜだかジュンと目を合わせて笑っている。


「どういう意味?」


すると答えてくれたのはアキだった。


「きっと、レイの父さんはレイと一緒で、不器用なんだよ」

「そうや、二人とも不器用にしか生きられへんのやな。似た者同士っちゅうこっちゃ」


私とお父さんが、似た者同士……?

二人の言いたいことがわからなかった。

私の不思議そうな様子を見て、ジュンは青い空に向かって呟いた。


「レイのおとんは必死で大事なもんを守ってるんやろな。男には守らなあかんもんがあるからさ」


アキの方を見ても、「そういうこと」って言って微笑むだけだ。





お父さんの守らなくてはいけないもの……?

毎日、仕事ばっかりのお父さん

おばあちゃんも死んじゃって、二人っきりの家族だったお父さん

お父さんがあんなに必死で仕事してるのって、誰のためなんだろう?

自分のため?

それとも……




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