再会
「さってと、そろそろ行くか!なんやここにずっとおったら、俺、なんかにとり憑かれそうやわ~」
「ちょ、ちょっとジュン!脅かさないでよ」
ジュンがあんまり大真面目に言うから、身震いしてしまった。
お化けとか霊とかは大の苦手なんだ。
「嘘やって~、もうレイはビビリやなぁ」
そう言って二人が歩き始めたので、私は必死に後を追ったんだ。
でも、やっぱり脳裏に浮かぶのはお父さんの顔
ねぇ、お父さん
お父さんは何のために必死に働いてるの?
そんなに仕事ばっかりしてて、楽しいの?
本人には絶対聞けない質問を心の中で繰り返した。
そして、無性に会いたくなっている自分に驚いた。
元気かな……
「レイ~!急がんと後ろに霊が憑いて来てるでー!」
「もう、ジュンー?!」
ジュンの声に我に返ると、隣で笑ってるおじさんが目に入ったんだ。
どう見ても外国人、大きめのTシャツにウエストポーチの姿は旅慣れたドイツ人だろうか。
似てるわけなんかないのに、そのおじさんの目がお父さんと似ているような気がしたんだ。
そのおじさんは、はしゃぐ三人の姿を見て、微笑んでくれた。
その笑顔がお父さんの笑顔と重なって、私は胸が熱くなったんだ。