再会


「なぁ、ジュン」

「ん?」


私を挟んで、アキがジュンに問いかける。



「リリィのこと、絶対幸せにしてやれよ」



え……?

思わず、右側のアキを振り返ったけど、アキは私と目が合うとそっと微笑むだけだった。

そして左に向き直ると、ジュンは空を見上げたまま言ったんだ。


「あぁ、必ず幸せにせなな」



ジュン……



「なんでレイが泣いてんねん?」

「だって……」



きっとね、リリィがこの場にいたら「バッカじゃないの」なんて笑い飛ばしてるだろうな。

でも、その後は、きっとあの大きな瞳から、大きな涙を零して、泣き出すんだ。




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