再会
ジュンを見送るために、今朝降り立ったサン・シャルル駅に戻って来た。
「あぁ~ブイヤベース食べられへんかったんは心残りやなぁ」
「また来られるさ」
心底悔しそうに言うジュンに、アキはさらっと笑顔で答えた。
「なんや、アキ、最初の頃に比べたら、ええ顔してるわ」
ジュンは、満面の笑顔でアキに手を差し出したんだ。
「俺、ほんまはアキみたいな男、絶対合わへんって思うてた」
「えっ、そうなの?」
ガッチリ握手する二人の間に思わず入ってしまった。
「そうや。だって俺とアキとじゃ正反対やろ?」
ジュンは悪戯っ子みたいな笑顔で続ける。
「でも……俺、アキに出会ってほんま良かったわ。こんなん、なんや告ってるみたいでハズいけど、ほんまにそう思うねん」
「俺もだ。ジュンは俺の目標だから」
ジュンとアキ
寝る部屋もずっと一緒だったから、きっと私たちの知らない、二人だけの会話があったに違いない。
男同士、私なんかにはわからない世界があるのだろう。
でも、今目の前にいる二人の間には、たしかな友情が見える。
それが、何より嬉しかった。