再会



夕方で多くの人が行き交う駅の喧騒がようやく耳に届き、私は歩き始めた。

出口へ向かうと、すぐの所でアキが待っててくれた。



「とうとう、二人になったな」



アキがポツリと呟いた。



夕焼けに包まれたマルセイユの景色を眺めながら、ユースへの道を二人で歩いた。





あとどれだけ、こうして過ごすことが出来るだろう―――





迫り来る別れの予感に、私の心は切なさで締め付けられた。

美しいはずの街並みも、どこか物悲しく感じたんだ。
















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