再会



今までの人生で、親友と呼べる友達もいなかった。

こんなこと、誰に相談したらいいかさえ、私はわからなかったんだ。



それで、まるで逃げるように、日本を飛び出してきた。

何もかも忘れて、私のことなんて知る人もいない地へ……

何がしたかったわけでもない、ただ、自分と向き合ってみたくなったのかもしれない。






私はこれまで、人との接触をできるだけ避けてきたんだ。

母親が自分を捨てて出て行ったように、父親がまるで自分を見てくれないように、また人に拒絶されるのを、心のどこかで恐れている。







なのにね、私の心は今、リリィを求めてるんだ。

今日初めて会ったばかりのリリィが、あまりにも歯に衣着せぬ物言いなのには、かなり驚いた。

でも、それが心地よくもあり、なぜかとても嬉しかった。

もっと彼女と話をしたり、彼女のことを知りたいって思った。

でも、私にはそれを伝える術が、わからないでいたんだ。





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