【てぃんかーべる】
俺はこれから
どうすれば良いんだろう───

「バスケしか能のない
 お前のことだ
 なにも考えてねぇんだろ」

宮城は空を見上げながらいった

二人の間に沈黙が
しん……と流れた

この場から
逃げたい衝動にかられた
なにもかも放り出し
なにも考えず
頭の上でのんびりただよう
雲になりたいとさえ思った

いたたまれず
口を開いた

「先輩。
 俺……失礼します」

すっくと立ち上がり
足早に立ち去ろうとした

「ホストやってみないか?」

宮城は唐突に切り出した

え───。

俺は
ゆっくりと振り返った

彼のその一言がなかったら
今頃本気で首を吊っていたのかも知れない
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