【てぃんかーべる】
俺は
仮眠をとるため
そのまま
自宅マンションへと戻った
二年間
まともに睡眠をとったことがない
身体は疲れているのだが
眼を閉じると
死んでいった彼女たちの
まぶたに焼き付いた死顔が
脳裏によみがえってくる
その度に
右手の震えが
止まらなくなる
絶えず負の思考が
脳内で回転する
慢性的な睡眠障害に陥っていた
照明は常につけたままだ
完全な暗闇では寝れない
真っ暗になると
死んだ者たちが
ふつふつと
壁や天井に
浮かんでくるような
そんな幻覚がみえるからだ
夢の中では
海底に眠ってるはずの
『橋本 英理』が
闇夜にまぎれ
はいずり上がり
だらりと立ちつくす
濡れた髪
腐敗した身体
顔面は血まみれ
よどんだ黒目は
俺をじっとみつめ
口をぱくぱくと動かす
なんども
なんども
彼女は
訴えかけるように
くちびるをうごかす
な
ん
で
た
す
け
て
く
れ
な
か
っ
た
の
仮眠をとるため
そのまま
自宅マンションへと戻った
二年間
まともに睡眠をとったことがない
身体は疲れているのだが
眼を閉じると
死んでいった彼女たちの
まぶたに焼き付いた死顔が
脳裏によみがえってくる
その度に
右手の震えが
止まらなくなる
絶えず負の思考が
脳内で回転する
慢性的な睡眠障害に陥っていた
照明は常につけたままだ
完全な暗闇では寝れない
真っ暗になると
死んだ者たちが
ふつふつと
壁や天井に
浮かんでくるような
そんな幻覚がみえるからだ
夢の中では
海底に眠ってるはずの
『橋本 英理』が
闇夜にまぎれ
はいずり上がり
だらりと立ちつくす
濡れた髪
腐敗した身体
顔面は血まみれ
よどんだ黒目は
俺をじっとみつめ
口をぱくぱくと動かす
なんども
なんども
彼女は
訴えかけるように
くちびるをうごかす
な
ん
で
た
す
け
て
く
れ
な
か
っ
た
の