【てぃんかーべる】
最初に
目をつけていたのは
恭子の父親である
参議院議員の『南 勇次郎』だった

私は
一年以上の月日をかけ
彼のもつ貿易会社の
経営状態及び内部事情を
徹底的に調べ上げていた
念願だったホコリをみつけると

そのホコリを検証し
法で洗う
直ぐさま資料を作成し
自身のキャラクターを設定する

巻き上げる算段が決まれば

あとは簡単

南 勇次郎氏の在宅中に
邸宅のインターホンを押すだけ

今回
私は国税局員となり
逃れられない重要資料をみせ
巧みな話術を駆使し
脱税容疑について
彼と話し合い

口止め料として
三千万円
要求するつもりだった

そう

私は当時

詐欺師だった
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