【てぃんかーべる】

茶髪の声がとどかないほど
わたしは
セックスに没頭していた

下腹がマーブル模様を描くように
快感がうずまいているようだった

きもちよさで
頭がほんのりトリップしている気分

彼の腰が
とても激しく動いた

んうっ…

彼の果てる声

「あー
 でちゃった」

………
……
…出ちゃった?
え?
たしか
生じゃなかった??

瞬時に我にかえる

……ッッ

どこでいったの……?

「中に出したの?」

ぬろっ…
液体が
はいでてきたのがわかった

「えっ
 ちょっと待って…
 ほんとに中に出したの?
 ……だめじゃん」

わたしは
股に手を伸ばした
すると粘っこい液体が指にからまる
指先を見ると
白濁液がついていた

うそでしょ…

すー…と
血の気が引いていく

すでに快楽は
彼方へ飛んでいた

茶髪は
へへっと笑いながらビデオをまわしている

「だいじょうぶ
 だいじょうぶ
 すぐ掻き出すから」

彼が
わたしの中に
指をいれようとした

「いやっ
 ちょっと
 やめてください」

「もう君は採用決定
 読者モデルになれるからいいでしょ
 はい。おわり
 そろそろ上司が戻ってくるから
 服着て
 また追って連絡するから」

「なんで中に……」

「はやくしろっっ」

茶髪の
キレぎみな口調に
恐れを感じ
言われるがまま
着替えをすませると
何もいえず退室した
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