【てぃんかーべる】
「なんかさ
 いまのあたしって
 抜け殻って感じ
 なんにもやりたくないの」

16個目の
おにぎりを頬張りながらいう

「うん」

ねるが真剣に耳を傾ける

「あのさ
 前いったじゃん?
 結婚する彼氏がいるってさ
 あれ
 ダメになったんだ
 つかあたし
 実は騙されてたっていう……
 超バカっしょ」

するとねるは
かぶりを振って

「うぅん
 バカじゃないよ
 だってさ
 くるみは
 それだけ彼氏のこと
 好きだったんでしょ
 それで結婚の話が
 なくなったりでもしたら
 ………もしわたしなら
 自殺も考えてしまうかも……」

彼女の発言に
おもわず興奮した

「だよねっっ
 あたしも自殺超考えたっ
 でもさ……
 いざ死のうと思ったら
 なんか踏ん切りつかないわけ
 いくら忘れようと思っても
 頭の中はそいつのことばっかなんだ」

ねるは
午後の紅茶に口をつけ

「いいなぁ」

呟いた

あたしは
次にナポリタンに手を伸ばしながら
彼女に向かって首を傾げた

「そんな本気の恋愛
 わたししたことないもん
 だから色んな意味で
 くるみがうらやましい」
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