【てぃんかーべる】
ドアの前に立ち
インターホンを押そうとしたら

「わたし帰ろうか」

困惑顔で尋ねるつかさ

「だいじょうぶ」

すぐさま答える

「大丈夫ってなにが───」

彼女の言葉は上の空で
あたしはインターホンを押す

胸の内で
きつねの顔をみたら
イッちゃわないかと心配した

下半身がざらつく
超セックスしたい気分

ドアが少しひらくと
両手の荷物を離し
ドアノブを掴んで思い切り引いた

玄関で
あたしの姿をみた
きつねの目が驚きで見開く

「ひさしぶりきつねっ」

あたしは
きつねの胸にダイブした

彼の身体
彼の匂い
彼の体温

彼のすべてを
五感で確かめる

自然とあたしの
息遣いが激しくなる

「きつね
 セックスしよ」

愛液が
太股につたっているのが
わかるほど
きつねの肉体を欲している

つか
イキそう

きつねの身体に触れてるだけで
性器が破裂しそう

「胡桃っ
 なんでお前がここに」

彼は
あたしの肩を両手でつかみ
引き離した

「セックス
 セックスしたいのぉ
 きつねとセックスがしたいのぉ」

あたしは
おんおんと泣きはじめた

「く…くるみ」

後ろから
キョドったつかさの声がしたけど無視

「と、とにかく
 ふたりとも中に入れ」

きつねは
動揺しながらも
あたしたちを
リビングへと導いた
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