【てぃんかーべる】
ソファに坐ったきつねに
あたしは抱きつく

超おちつくんだけど

あたしは
自然に目を閉じる

彼の胸に埋めていた顔を
匂いを嗅ぎながら
徐々に上げていく

そこで彼の唇を奪った

んふんふと鼻息荒く
彼の口内を舐めまわす

ひさびさに嗅ぐ
彼の口の匂いに
興奮が加速した

自分のジャケットを脱ぎ捨てる

彼が着ている黒いカッターシャツを
ボタンごと引きちぎり
乳首をこねくりまわした

きつねは
全く抵抗しない

あたしを
受け入れている

やっぱりあたしたち
気持ちが繋がってたんだ

マジ感動

彼の下唇を吸う
鼻や目の周囲も舐めまわす
きつねの味を堪能する

あたしのパンツは
既にべちょべちょに濡れてる

自らTシャツを脱ぎ
ブラジャーをはぎ取り
おっぱいを晒した

彼はピクリとも動かない

彼の唇に吸い付きながら
薄目を開けた

きつねの目が
ある一点をみつめている

視線を追うと
つかさがいた

彼女はバカみたいに
リビングに突っ立っていた

カカシかよって
ツッコミたくなるくらい
口を開けたまま立っていた

「なにみてんの」

あたしがいう
我ながら低い声だったと思う

「あ……
 ごめんなさい」

彼女は狼狽した

「早く帰ったら?
 集中できないんだけど」

「う、うん
 帰るね
 荷物全部玄関に置いてあるから
 おじゃまし───」

「まてよ」

つかさの言葉を遮り
人形のように動かなかった
きつねが声をあげた

「みていけよ
 俺と胡桃のからみを」
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