【てぃんかーべる】
リビングで
あたしは後背位で突かれる

「きもちいいぃ
 きつねぇ
 きもちいいのぉ」

押し寄せる天井知らずな
快感に
あたしは悶え苦しむ

彼が
あたしの髪を乱暴に
引っ張った
キスを求められたのだと思い
振り返ると

きつねが
嫌がるつかさにキスをしていた

あたしと彼の視線が
宙でぶつかる

きつねの目が
いたずらに笑った

彼が
喜んでくれている
意味なくうれしかった

「もっと突いてぇ
 きつねぇ」

あたしの顔は
涙でメイクはとれ
よだれと鼻水でぐしゃぐしゃ

びりびりと
衣服の破られる音が聞こえた

やめてくださいの声

四つん這いで
床に顔をつけている
あたしの視点は定まらない

いつの間にか
きつねのチソコが
抜かれていたことすら
気づかないほど

身体は恍惚感で満たされていた

ごろんと身体を九の字に曲げる
ひんやりとした床が
ほてった身体を冷やしてくれる

下半身にじわーと残る
セックスの余韻を楽しむ

頭の芯は
ひさしぶりのセックス
気持ち良かったねと考えた
あたしは
無意識に笑みを浮かべていた

きつねは?
眼球だけを動かし
周囲を見渡す

ふと視界に映った光景

きつねと
つかさが
目の前でセックスしていた
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