【てぃんかーべる】
部屋の明かりをつけた
7畳ほどの室内の半分が
ひつじの血で黒く染まっている
鼻腔を刺激する血臭
私はおもわず
股間を握りしめた
彼女は
ぴくりとも動かない
肩が弱々しく上下しているので
虫の息といったところか
私は
リビングに戻り
飲みかけてあったカルピスを
一気に飲み干した
ちょうどそのとき
インターホンが鳴った
ドアホンの液晶画面には
『庵 ねる』が立っている
カルピスの缶を
ゴミ箱に放り投げ
受話器をとった
「あっ
くるみ
さっきはごめんなさいっ
わたしね
あの、なんていうか
ごめんなさい……」
ねるの口調は
焦りと戸惑いが含まれていた
「なんの話しだ?」
そう私が問うと
「えっ」
彼女は
驚きの声を上げ
だれ?と問うた
「まぁ上がってこい」
そういって
オートロックを解除する
冷蔵庫の中をのぞく
プリンにドーナツ
ホールケーキにりんごが数個
そして数多くの
カルピスの缶
さらに生理用品や下着など
理解し難い物まで冷やしてある
「どんな生活なんだ一体」
たしか
『南 恭子』が
ひつじの面倒を
みているらしいが
ちゃんとみていたのだろうか
玄関の開く音が聞こえた
急ぎ足でリビングに
向かってくるのがわかる
「あっ
野田さん………
おはよう…ございます」
業界では
昼夜問わず
挨拶は『おはようございます』だ
「くるみは」
彼女が訊くので
私はひつじの居る部屋に
軽くあごを上げて教える
ねるは
「くるみっ
さっきはごめんなさ───」
と声を出しながら
勢いよく入っていき
部屋の光景に
絶句していた
7畳ほどの室内の半分が
ひつじの血で黒く染まっている
鼻腔を刺激する血臭
私はおもわず
股間を握りしめた
彼女は
ぴくりとも動かない
肩が弱々しく上下しているので
虫の息といったところか
私は
リビングに戻り
飲みかけてあったカルピスを
一気に飲み干した
ちょうどそのとき
インターホンが鳴った
ドアホンの液晶画面には
『庵 ねる』が立っている
カルピスの缶を
ゴミ箱に放り投げ
受話器をとった
「あっ
くるみ
さっきはごめんなさいっ
わたしね
あの、なんていうか
ごめんなさい……」
ねるの口調は
焦りと戸惑いが含まれていた
「なんの話しだ?」
そう私が問うと
「えっ」
彼女は
驚きの声を上げ
だれ?と問うた
「まぁ上がってこい」
そういって
オートロックを解除する
冷蔵庫の中をのぞく
プリンにドーナツ
ホールケーキにりんごが数個
そして数多くの
カルピスの缶
さらに生理用品や下着など
理解し難い物まで冷やしてある
「どんな生活なんだ一体」
たしか
『南 恭子』が
ひつじの面倒を
みているらしいが
ちゃんとみていたのだろうか
玄関の開く音が聞こえた
急ぎ足でリビングに
向かってくるのがわかる
「あっ
野田さん………
おはよう…ございます」
業界では
昼夜問わず
挨拶は『おはようございます』だ
「くるみは」
彼女が訊くので
私はひつじの居る部屋に
軽くあごを上げて教える
ねるは
「くるみっ
さっきはごめんなさ───」
と声を出しながら
勢いよく入っていき
部屋の光景に
絶句していた