【てぃんかーべる】
「よし、じゃあ
 これから撮影にはいるので……
 服装はそのままでいいからね」

野田が
そういうと俺を見た

「はい
 わかりました」

彼女は笑顔で返事する

「こっちに来てくれるかな」

俺は撮影場所に
橋本 英理を案内した

「こんにちは
 カメラマンの火草です
 よろしく」

「あ、こんにちは
 よろしくお願いします」

「上着は脱いでくれる
 そこらへんの適当なとこに
 あ、うん、そこに置いといて」




彼女の写真を何枚か撮る

可愛い顔してる

背伸びして大人な美人になろうと
努力してるって感じがみえる
だが愛嬌のある笑顔だ
磨けば化ける顔立ちをしている
肩まで届いた
茶がかった髪が美しい
艶もある

目は切れ長で
奥二重か
顔のおうとつもしっかりしている
唇は薄いな
神経質タイプか

白い肌だが、健康で色も良い
肌の質も悪くない
化粧は普段あまりしない派だな

脚も自慢することだけあって
抜群のプロポーションだ
身長も高い
バランスの整った骨格をしている
絵に描いたようなケーキ屋のアイドルだな

ファッションセンスは……まぁまぁか…
右手薬指の指輪はペアのものかな
少ない給料でお洒落してますって感じだな

中流家庭で
大事に育てられた雰囲気が
表情にあらわれている

俺は撮影しているとき
被写体がどんな人間か
想像するのが好きだ

「よし
 取りあえず私服の撮影は終わり
 ふふ、緊張してたみたいだけど」

「へへ、はい
 緊張しました」

彼女は
はにかんで答えた
俺は軽く笑い

「その緊張がレンズに伝わってきたよ
 誰でも最初はそんなもんだよ
 でも撮られるって気持ちいいだろ」

「あ、はい。
 それは感じました」

「君はもっときれいになれるよ。
 ベースは素晴らしいからね」

俺は本心を述べた
彼女は頬を赤らめ

「ありがとうございます」
といった

「次は水着の写真撮るからね」

「えっ……水着」
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