【てぃんかーべる】
わたしは
室内に
中央にぽつんと置かれた
椅子に腰掛けた
面接官たちと対峙する
彼らはにこにこしていた

「初めまして
 野田といいます
 じゃあ自己紹介から
 していただけますか」

肥った面接官が訊いてくる

「はいっ
 水森 つかさ
 18歳です
 えっと…スリーサイズもですか?」

「はい
 お願いします」

「身長が156センチで
 バストが83
 ウエストが59
 ヒップが84…です」

「今は
 学生さん…だね」

肥った面接官が呟く

「はい」

「智上大学
 お嬢様大学だね」

「あ
 はぁ」

わたしは
愛想笑いを浮かべた

「読者モデルに
 興味があって応募を?」

肥った面接官の横に坐る
長髪で髭面の男が訊いてきた

「あ
 はい。そうです」

できるだけ
笑顔で答えるように
心がける

緊張で
一言でしか返事できない
自分にいらだった
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