【てぃんかーべる】
「野田さん。
 彼女の呼吸荒いです」

仁がいった

「ん~
 過呼吸だな
 股からの出血もひどい
 それに内臓が破裂してる可能性あるな」

私は冷静にいった

「ちょっとやりすぎたかな」

三村は
にやけていう

「三村さん
 彼女は商品なんですから
 それにビデオも撮らないし
 強姦はやばいですって」

「だな。
 見境がなくなっちまったかな
 反省するわ」

そういうと三村は
壁に手をついて
猿が芸で見せる反省のポーズをとり
汚い歯をみせておどけた

それをみた仁は
呆れた顔をする

「野田さん
 どうしますか?」

仁が私に訊いてきた

「ん~、こりゃだめだ
 病院に連れていけば
 十分助かる見込みはある
 だが救急車を呼べば
 我々は多大なリスクを背負うことになる
 それは防がないとな」

「ってことは」

仁が訊く

「彼女を殺し
 んで、ぽいっ、だな」

私はいった

「こんな風にね
 あ、それ、ぽいっ」

ティッシュで
自分の股間を拭っていた三村が
ティッシュをゴミ箱に投げ入れた

その瞬間
仁が不快な顔をみせた

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