【てぃんかーべる】
「今まで
他の事務所に
面接とか受けたことは?」
「あ、えーと………
二回…くらいかな
受けたことあります」
うそ……
ほんとは八回
「そうなんだ。
それでどうだったの?」
「それは写真とかまでは
撮られたんですけど
それからは全然」
「なるほどね
仕事とかはこなくて
自然消滅とか?」
「あ
はい。そうです」
「ふぅーん
そかそか
もったいないね」
そう肥った面接官がいうと
「かわいいのにね」
と髭面の男がいう
すると肥えた面接官が
うんうんと頷き
同調していた
「え…えへへ」
わたしは
とにかく笑顔を作った
「じゃあ
写真はもう何回か
撮って慣れてるわけだね
今日も
顔と全体の写真を
何枚か撮るからね
彼がカメラマン」
肥った男が
手振りで紹介したのは
今まで一言も喋らなかった
二十代かそこらの
ロン毛の茶髪の男
とても背が高くて
赤の色ぶち眼鏡をしている
パッとしない印象を受けた
茶髪は
ぎこちなく微笑んで
頭を下げた
わたしも笑顔で
お願いします
と小声でいいながら会釈した
他の事務所に
面接とか受けたことは?」
「あ、えーと………
二回…くらいかな
受けたことあります」
うそ……
ほんとは八回
「そうなんだ。
それでどうだったの?」
「それは写真とかまでは
撮られたんですけど
それからは全然」
「なるほどね
仕事とかはこなくて
自然消滅とか?」
「あ
はい。そうです」
「ふぅーん
そかそか
もったいないね」
そう肥った面接官がいうと
「かわいいのにね」
と髭面の男がいう
すると肥えた面接官が
うんうんと頷き
同調していた
「え…えへへ」
わたしは
とにかく笑顔を作った
「じゃあ
写真はもう何回か
撮って慣れてるわけだね
今日も
顔と全体の写真を
何枚か撮るからね
彼がカメラマン」
肥った男が
手振りで紹介したのは
今まで一言も喋らなかった
二十代かそこらの
ロン毛の茶髪の男
とても背が高くて
赤の色ぶち眼鏡をしている
パッとしない印象を受けた
茶髪は
ぎこちなく微笑んで
頭を下げた
わたしも笑顔で
お願いします
と小声でいいながら会釈した